チャートのRSIが70を超えた時に「もう売るべき?」、30を下回った時に「そろそろ買い?」と迷っていませんか。RSIは株価そのものの高い・安いではなく、一定期間の上げ幅と下げ幅のどちらが強かったかを0〜100で表す指標です。
先に結論を言うと、70以上や30以下は反転が確定した合図ではありません。見る順番は、計算期間、株価のトレンド、決算などの材料、ローソク足や出来高です。この記事では、計算例から3つの注意点までをこの順番で整理します。
RSIは、一定期間の上げ幅と下げ幅の比率を表す
RSIはRelative Strength Index(相対力指数)の略で、一定期間に上昇と下落のどちらの勢いが強かったかを見るオシレーター系指標です。値は0〜100の範囲で動き、高いほど上げ幅の割合が大きく、低いほど下げ幅の割合が大きかったことを示します。
ここで測っているのは、企業価値に対して株価が割安か割高かではありません。直近の値動きに上昇と下落のどちらが多く含まれたかです。RSIが低くても、業績悪化で下落が続く株を「安い」とは決められません。
上げ幅16円・下げ幅14円なら、RSIは約53.3%
計算の考え方は、一定期間の上げ幅合計を、上げ幅合計と下げ幅合計の合計で割り、100を掛ける形です。理解用に5日間で考えます。
| 日 | 前日比 | 計算に入る幅 |
| 1日目 | +6円 | 上げ幅6円 |
| 2日目 | +10円 | 上げ幅10円 |
| 3日目 | -4円 | 下げ幅4円 |
| 4日目 | -7円 | 下げ幅7円 |
| 5日目 | -3円 | 下げ幅3円 |
上げ幅は16円、下げ幅は14円なので、16÷(16+14)×100=約53.3%です。上昇日が2日、下落日が3日でも、日数だけでなく値幅を使うため50%を少し上回ります。実際のツールでは平滑化を含む計算方式もあり、画面のヘルプで仕様を確認する必要があります。
70以上・30以下は、反転確定ではなく一般的な目安
14日RSIでは、70%以上を買われすぎ、30%以下を売られすぎと見る方法が一般的です。50%付近は、対象期間の上げ幅と下げ幅が大きく偏っていない状態を考える目安になります。
| RSIの水準 | 読み取れる範囲 | まだ決められないこと |
| 70%以上 | 対象期間では上げ幅の割合が大きい | 天井、翌日の下落、売却時期 |
| 50%前後 | 上げ幅と下げ幅の偏りが比較的小さい | 今後の方向、企業の割安・割高 |
| 30%以下 | 対象期間では下げ幅の割合が大きい | 底値、翌日の反発、購入時期 |
強い上昇相場では70以上が何日も続き、強い下落相場では30以下が続くことがあります。70に触れた瞬間を売り、30に触れた瞬間を買いと機械的に決めると、トレンドの途中で反対方向へ動くことになりかねません。
RSIの期間と計算方式は、使うツールで確認する
RSIは14日設定が広く使われますが、9日など別の期間もあります。楽天証券のマーケットスピードには9日の設定例があり、計算方式の異なるRSI1・RSI2も案内されています。同じ銘柄・同じ日でも、期間や計算方式が違えば数値は一致しません。
| 設定 | 反応の特徴 | 比較時の注意 |
| 短い期間(例:9日) | 直近の値動きへ比較的早く反応する | 上下の振れも増えやすい |
| 標準的な期間(例:14日) | 一般的な70・30の解説と照合しやすい | ツール既定値とは限らない |
| 異なる計算方式 | 平滑化や対象日の扱いで差が出る | 数値だけを別ツールと比較しない |
RSIを見る前に、日足か週足か、期間は何日か、計算方式は何かをそろえます。SNSの画面と自分の画面で数字が違う時は、相場観より先に設定差を疑う方が混乱を減らせます。
RSIは、期間・株価トレンド・材料・他指標の順で見る
RSIを売買サインにしないためには、数字へ意味を足す順番を固定すると見やすくなります。全体像は次の4つです。
| 順番 | 何を見るか | なぜ見るか |
| 1 | 足種・期間・計算方式 | 同じ条件の数字かを確かめる |
| 2 | 高値・安値と移動平均線 | 上昇・下落・横ばいのどこかを分ける |
| 3 | 決算・業績修正・市場全体 | 過熱ではなく材料で動いていないかを見る |
| 4 | ローソク足・出来高 | その日の値動きと売買の厚みを重ねる |
たとえば14日RSIが75でも、好決算後に高値と安値を切り上げ、出来高も増えている場面なら、「75だから売り」とは決められません。反対にRSIが25でも、下方修正後に安値更新が続いているなら、「25だから割安」とも言えません。
株価とRSIの逆行は、転換を調べるきっかけにする
株価が前回高値を上回ったのにRSIが前回より低い、または株価が安値を更新したのにRSIが前回より高い状態は、ダイバージェンス(逆行)と呼ばれます。価格の勢いが弱まっている可能性を見る観察点です。
ただし、逆行が出ただけで転換が確定するわけではありません。比較する高値・安値の選び方でも見え方が変わります。ローソク足で反転の形が出たか、出来高がどう変わったか、材料があるかまで確認して初めて、次に調べる方向が絞れます。
RSIを見るときの3つの注意点
| 避けたい見方 | 問題になる理由 | 代わりの確認 |
| 70で即売り、30で即買い | 強いトレンドでは高低の状態が続く | 高値・安値、移動平均線、材料 |
| 設定の違うRSIを比べる | 期間と計算方式で数値が変わる | 足種・期間・ツール仕様をそろえる |
| 悪材料を無視して低RSIを拾う | RSIは企業価値や下落理由を測らない | 決算、適時開示、市場全体を先に見る |
よくある疑問
RSIは9日と14日のどちらを使いますか?
14日は一般的な解説と照合しやすい設定ですが、9日を採用するツールもあります。どちらかが常に正しいのではなく、比較する期間を途中で変えず、使う画面の仕様を把握することが先です。
RSIが50を上回れば上昇トレンドですか?
50より上なら対象期間で上げ幅の割合が大きいと読めますが、それだけでトレンドは確定しません。高値・安値の推移や移動平均線も合わせて見ます。
あわせて読みたい記事
RSIの数値を確認した後に、価格の流れと売買の厚みを別々に見るための記事です。
まとめ
RSIは、一定期間の上げ幅と下げ幅の比率から、値動きの勢いを0〜100で表す指標です。14日・70/30は一般的な目安ですが、反転確定や株価の割安・割高を示す数字ではありません。
見る時は、足種・期間・計算方式をそろえ、株価トレンド、決算などの材料、ローソク足・出来高を重ねます。「なぜこのRSIになったか」を説明できるところまで確認すると、数字だけの逆張りを避けやすくなります。


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